甲状腺が腫大は80−90%程度に認められますが、それ以外の症状はどれも20%以下と低いのが特徴です。それは多くの橋本病の患者さんでは甲状腺ホルモンの産生自体は正常範囲に保たれているからです。
甲状腺機能が正常の場合には全身的な影響はありません。甲状腺腫が大きい人では、たまに喉の圧迫感や違和感を訴える人がいますが、ほとんどの症例は無症状です。
甲状腺腫大:慢性甲状腺炎のため、硬く腫れてくる場合が多い
甲状腺機能が低下すると 、 全身の新陳代謝が悪くなり、以下のような様々な症状が現れます。
全身症状 |
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寒がり、疲れやすい、動作が鈍い、体重増加、むくみ、声がかれる |
体温 |
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低くなる |
顔つき・頚部 |
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前頚部の腫大、のどの違和感、ボーッとしたような顔 |
精神・神経症状 |
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物忘れ、無気力、眠たい、ボーッとしている |
循環器症状 |
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脈が遅い、息切れ、心肥大 |
消化器症状 |
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食欲低下、舌が大きい、便秘 |
皮膚 |
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汗がでない、皮膚乾燥、脱毛、眉が薄くなる、皮膚の蒼白 |
筋肉症状 |
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脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉の疲れ
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月経 |
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月経不順、月経過多 、時に無月経 |
血液 |
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コレステロール高値、肝障害、貧血など |
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